| データ通信中のモデムをコマンドモードにするためにエスケープシーケンスが用意されています.ここでは,2つのエスケープシーケンスについて動作の違いを説明しています. |
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2つのエスケープ方式 |
データ通信モードに入っているモデムを,コマンド入力モードにするには,現在2つの方式が使われています.それらはTIES方式とGTES方式です.以下にそれぞれについて動作を説明します.
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TIES方式 (MULTITECHの標準モード) +++AT<CR> |
データ通信中に +++AT<CR> の文字列が現れると,モデムはコマンドモードに入ります. ガードタイムがないので,Time Independent Escape TIESと呼ばれます.
ごくまれではありますが,転送するデータの中に +++AT<CR> の文字列があると,モデムはコマンドモードに入ってしまい,データの転送が途切れてしまいます.
ガードタイムパラメータに値をセットしても,使われません.
この方式がMULTITECHのモデムの初期設定です. GTES方式に切り替えるには,GTES方式のファームウェアをロードします. コマンドないしパラメータでTIESとGTESを切り替えることはできません.
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GTES方式 (HAYES ガードタイムエスケープ) <GT>+++<GT> |
<GT> はガードタイム,すなわちデータの転送が行われない時間です. データ通信中に <GT>+++<GT> のように,約1秒間データの転送を止めて,+++ と+を3つ続けて送り,その後約1秒間データの転送がないと,モデムはコマンドモードに入ります. ガードタイムにより+++文字列をエスケープとして扱うか否か判定するため,Guard Time Escape GTESと呼ばれます.
データの中に単に+++が含まれていてもエスケープしないため,誤ってエスケープする可能性が低い特徴を持ちます.
ガードタイムの長さは,パラメータとして値を設定変更できます.
この方式をMULTITECHのモデムで使うためには,GTES方式のファームウェアをロードします.コマンドないしパラメータでTIESとGTESを切り替えることはできません. |