Jackson Labs Technologies : Claw GPS シミュレータ
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Jackson Labs Technologies

Jackson Lab Technologies

Claw GPS シミュレーター


シミュレーション例 2 : 任意の固定位置 うるう秒挿入

位置固定 北緯 35度 東経 135度 GPS高度 60m
2020年12月31日0時0分 からのシミュレーション
UTC 23時59分59秒の次に「うるう秒」を挿入

シミュレーション例1をお読みになってからシミュレーション例2をお読みになることをおすすめします。

ここでは SimCon アプリケーションを使っていますが、CLIでも同じように設定起動操作できます。このシミュレーションでは、GPS 受信機の位置が固定している Fixed simulation を実行します。 シミュレーションの設定はシミュレーション例 1 と概ね変わりません。

うるう秒は UTC の6月30日か12月31日に挿入されますが、3月31日と9月30日にも挿入できることになっています。 このシミュレーションでは 12月31日 の 23時59分59秒 UTC の次にうるう秒を挿入します。 日本時間では 1月1日の午前 8時59分59秒です。

既に GPS 受信機の座標が指定してあるのなら、以下のコマンドを直接打ち込むだけで「うるう秒挿入」のシミュレーションが始まります。

SIM:MODE MANUAL
SIM:POS:MODE FIXED
SIM:POS:LLH 35.000,139.000,80.0
SIM:TIME:MODE ASSIGNED
SIM:TIME:START:TIME 23,30,00
SIM:TIME:START:DATE 2020,12,31
SIM:TIME:LEAP:ACC 18
SIM:TIME:LEAP:DATE 2020,12,31
SIM:TIME:LEAP:DUR 61
SIM:COMMAND START

では、上記コマンドと同じ設定を SimCon アプリケーションを使って設定します。

SimCon を起動します

2つのヘッダーが表示されています。 SimCon は最後の設定を覚えていて、起動時に最後の状態を復元します。

左側にある5つのボタンで各機能パネルにアクセスします。 5つのパネルを同時に表示できます。 Exit ボタンで終了します。 暗い色のボタンはその機能パネルが有効になっていることを意味します。

右側のヘッダーはステータスヘッダーと呼ばれ、その表示内容は状態により変化します。ステータスヘッダーにはいくつかのボタンが用意されていますが、今回は使いません。

以下の状態では、どの機能パネルも選択されておらず、SimCom は COM4 で Claw GPS シミュレーター に接続しており、シミュレーションは STOPPED すなわち停止しています。
右側は Fixed simulation ボタンが暗転していて、Fixed position mode が選択されていることを示しています。

Simcon

Controls とDisplayボタンをクリック

Controls と Display パネルが表示されます。 どちらにも複数のタブがあります。
オプションとして、Terminal パネルも表示しておくと Claw GPS シミュレーターと SimCon とのやり取りを見たり、直接 SCPI コマンドを打ち込んだり、ファイルを Claw GPS シミュレーターにアップロードしたりできます。多くの用途には Terminal パネルは不要です。

パネルは5つ全て開くこともでき、また画面全体に大きくすることもできます。

Controls パネルは Motion と Display パネルに関する SCPI コマンドを発行してくれる GUI です。 また Terminal パネルに SCPI コマンドを直接手入力する際の参考にできます。

Controls パネルにはいくつものタブがありますが、これらはサブシステムに分かれた階層構造を持つ SCPI コマンドのサブシステムの最上位に紐付いています。それゆえ SCPI サブシステムタブと呼ばれます。 ファームウェアノ更新も Controls タブから行います。 SCPI コマンドの詳細についてはマニュアル 6 章 を参照ください。

Controls パネルについては マニュアル 4.8 The Controls Panel も参照ください。


Simcon

SIMulation の基本設定

SimCon

暗転した Control ボタン と Display ボタン はそれらパネルが表示されていることを意味します。 暗転していない場合はそれらをクリックしてください。

左ヘッダーの STOPPED はシミュレーションが停止していることを意味します。

SIMulation タブをクリックしてシミュレーションのパラメータを設定します。

SIMulation:MODE の MANUAL ボタンをクリックします
MANUAL は電源オン時に自動起動せず、SIM:COM START コマンドが発行されたときに起動するモードです。
[ SCPIコマンド SIM:MODE MANUAL に相当 ] (マニュアル 6.3.2 参照)

SIMulation:POSition:MODE の FIXED ボタンをクリックします
FIXED は位置固定(移動しない)モードです。
[ SCPIコマンド SIM:POS:MODE FIXED に相当 ] (マニュアル 6.3.8 参照)

 

SIMulation タブでパラメータの設定

sim_con

このタブの下にたどると SIMulation:POSition:LLH (マニュアル 6.3.9) があります。

ここにLat 緯度、 Lon 経度、 Alt 高度 を入力します。

現在 Claw GPS シミュレータが持っている値は、Get position ボタンをクリックすると表示されます。

Factory default position ボタンをクリックすると、工場初期値が表示されます。

緯度は、北緯は正の値、南緯は負の値で入力します。経度を入力する際は、東経は正の値、西経は負の値で入力します。高度は GPS 高度(地球楕円体高)です。楕円体高=標高+ジオイド高ですから、標高にジオイド高を加えた高度を与えます。 東京付近では海面標高に37mを加えた値がGPS高度になります。 ジオイド高は国土地理院の計算サイトで知ることができます。

座標を入力し、Set position ボタンをクリックするとパラメータが Claw GPS シミュレータに記憶されます。

[ SCPI コマンドの SIM:POS:LLH 35.000,139.000,80.0 に相当 ]

 

シミュレーション日時の設定

このタブをさらに下にたどり

SIMulation:TIME:MODE (マニュアル 6.3.46 参照)
の ASSIGNed ボタンをクリックします。
[ SCPI コマンド SIM:TIME:MODE ASSIGNED に相当 ]

SIMulation:TIME:START:TIME (マニュアル 6.3.47 参照)
にシミュレーション開始時の時刻 23:30:00 をUTCで入力して、Write ボタンをクリックすると値は Claw GPS シミュレーターに記憶されます。 GPS 受信機がうるう秒の公告を受け取るために、うるう秒挿入シミュレーションはうるう秒挿入の12.5分より前から開始しなければなりません。 GPS 受信機が Claw GPS シミュレーターに同期するのに必要な時間も加味して、十分手前からシミュレーションを開始する必要があります。 この例では30分前から開始します。
[ SCPI コマンド SIM:START:TIME 23,30,0.000 に相当 ]

SIMulation:TIME:START:DATE (マニュアル 6.3.48 参照)
にシミュレーションを開始するUTC日付 2020年12月31日を入力して、Write ボタンをクリックすると値は Claw GPS シミュレーターに記憶されます。
[ SCPI コマンド SIM:START:DATE 2020,12,31 に相当 ]

SIMulation:TIME:LEAPsecond (マニュアル 6.3.52 参照)
にうるう秒挿入の日付 2020年12月31日を入力します。 Write ボタンをクリックすると値は Claw GPS シミュレーターに記憶されます。
[ SCPI コマンド SIM:TIME:LEAP:DATE2020,12,31 に相当 ]

さらに ACCumulated にこれまでの累積うるう秒を入力します。 2020年12月31日においては 18 秒です。 Writeボタンをクリックすると値は Claw GPS シミュレーターに記憶されます。
[ SCPI コマンド SIM:TIME:LEAP:ACC 18 に相当 ]

そして DURation に「うるう秒挿入」時の1分の長さを入力します。 「うるう秒挿入」日の最後の分は61秒間です。 Writeボタンをクリックすると値は Claw GPS シミュレーターに記憶されます。 うるう秒削除は起こりえませんが、DURation に 59 秒間を設定すると「うるう秒削除」になります。
[ SCPI コマンド SIM:TIME:LEAP:DUR 61 に相当 ]

これでシミュレーション開始日時と「うるう秒挿入」が登録されました。

 

シミュレーションを実行します

SIMulation タブを最上部まで戻って COMand START ボタンをクリックすると シミュレーションが開始されます。
[ SCPI コマンドの SIM:COM:START に相当 ]

 

 

 

シミュレーションの進行とうるう秒挿入

Display パネルにシミュレーションの進行が表示されます。

Display パネルの詳細についてはマニュアルの 4.9 The Display Panel を参照ください。

シミュレーションが始まると共にうるう秒の公告が送信されます。 GPS 受信機がうるう秒の公告を受信するには少なくとも12.5分かかりますから、GPS 受信機が Claw GPS シミュレーターに同期するのに必要な時間も加味して、十分手前からシミュレーションを開始する必要があります。

この設定では、UTC の2020年12月31日の23時59分59秒の次に2021年1月1日 0時0分0秒が2秒間表示されて、うるう秒が挿入されたことがわかります。

 

このように、とても簡単にうるう秒の GPS シミュレーションを実行できます。

 

 

 


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